定期的に行っているWhole Elephant Bar。
毎回ゲストをお招きして、そのテーマに沿ったお話を頂き、それをきっかけとして参加者全員で対話をするという企画です。
今回は、東大循環器内科医であり、未来医療研究会を主催している稲葉俊郎氏をお招きし、「今、いのち・医療の全体性を考える」というテーマで開催しました。
今回は、僕のたっての希望で、講演形式でなく、稲葉先生と僕との対談を軸に参加者全員での対話を深めていくという構成。
その日僕は、開始2時間前に会場に到着。
すでに今回会場を提供して頂いた施設のスタッフが、椅子などの配置をほぼ完成させて頂いていました。(ありがたいことです)
前方のスクリーン前に、対談用の2つの椅子が置かれ、それを観る形で50脚の椅子が綺麗に配置されていました。
それを観ながら、
「なんか違うな」
これでは、テーマと一致感がない。
今回は、「全体性」がテーマのひとつ。空間全体もそれを表現したかったというのがありました。
スピーカーと参加者の境界を無くすには…
結果、この配置。
分かりづらいですが、二人のスピーカーを取り囲むように3重の円。
スピーカーの後ろ側にも参加者。
これには、2つ意図がありました。
ひとつは、聴衆とスピーカーという区分でなく、皆で話をしたいという想い。
そして、もう一つは……
対談は、非常に温かい場になりました。
最初は、東洋医学と西洋医学の融合というところから話し始め、いつしか医療という枠を飛び越え、いのちとは?生きるとは?
愛と怖れ、
そして、芸術と医療の話にまで。
その間、ずっと、感じていた、まさに参加者全体の愛。
とても温かく、心地よい場でした。
そして、それは、この空間配置のもう一つの意図。
まるで、二人の対話をきっかけに何かが生まれ出ようとするのを、温かく包む(時には、話、時には、見守り)母親の子宮のような空間でした。
まさに愛溢れる場
ここから、何かが生まれました。
そして、それは、この場の参加者の皆さんそれぞれに、何か宿したと思います。
ふと、思い出した言葉があります。
「存在は存在を惹きつけ経験を生む」
知識だけでは、なにも生まれない。
そこにいる存在こそが生むのです。
ここにいるすべての存在が存在をひきつけ、何かを宿した。
それは、とても小さないのちかもしれませんが、とてもしっかりしたものです。
是非、大切に育んで下さい。