探求者と批判者の問い〜問いの達人になる〜

 

我々がワークショップや講座の場を創るうえで、「問い」というものは、とてもパワフルです。

「問い」というのは、あらかじめ決まった解答を求めるための質問とは違います。
良い問い(良い悪いという表現は適切ではないですが)は、強制するのでなく、個々の深い部分へ気づきをもたらし、そのことが「場」の創造へと繋がります。

実は、この問い、ついつい実際に参加者に対して、実際に口に出す表面上の問いだけに注目しがちですが、
実は、我々ファシリテーターにとって、自分に無意識に立てている問いに気づくことが、より大切だったりします。

 

問いには、大きく分けると2つの問いがあります。

 

そして、熟練のファシリテーターとそうでないファシリテーターの違いは、この自己に対する問いの違いに気づくかどうかとも言えます。

 

それは、「批判者の問い」と「探求者の問い」です。

 

批判者の問いとは?

「なんでこんなひどいことが起きたんだろう?」
「誰のせい?」
「どうすれば自分が正しいと証明できるのか?」
「どうすれば主導権を握れるのか?」
「他者から自分の縄張りを守るにはどうすればいい?
「なんで負けてしまうのか?」
「なんで私がひどい目に遭うの?」
「どうしてあの人はいつも通り人々をいらいらさせるんだろう?」
「なんであの人はいつもくよくよするんだろう?」etc.

そして探求者の問いとは?

「何をしたら、うまくいく?」
「何に責任をもって考えればいい?」
「事実はどういうこと?」
「全体の見通しを考えたらどうなる?」
「どんな選択ができる?」
「この件で役立つことは?」
「この件から私は何を学べるだろう?」
「あの人は何を考え、何を感じ、何を必要としているのかな?」
「今できることは何?」etc.

そして、この2つの問いの違いが出るのが、ファシリテーターにとって予想外の事が起きた時です。

 

例えば、参加者のひとりから思わぬ反感を買ったり、まとめるつもりが上手くまとまらなかったり。

 

そんな時は大抵、「批判者の問い」を自己に対して出やすいのです。

 

しかし、熟練のファシリテーターは、「探求者の問い」を立てます。

また、「批判者の問い」が仮に出ても、一度立ち止まり、それを「探求者の問い」に変換出来るのです。

これが、いわゆる「場とダンスする」ということのひとつ。

実は、この「問い」はファシリテーションに限ったことではありません。

 

我々が、日常でイラッときたり、落ち込んだりしたとき、どちらの問いを立てていますか?
そう、「批判者の問い」です。

 

まずは、そこに気づき、立ち止まること。

 

そして、「探求者の問い」に変換する。

あなたの今日の問いは、批判者ですか?
それとも探求者ですか?

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