「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、
「木を観て森も観る」という言葉、聴いたことありますか?
「これは、協働知創造のレジリエンス」という本の中で著者の清水美香先生が提唱している言葉です。
どういうことか?
そもそもレジリエンスって言葉、解りずらいですよね。
この言葉適切な日本語訳がありません。
柔軟性とか、適応力とか、しなやかさとか、打たれ強さとか……
様々な領域で使われ、個人のレベルから地域・地球レベルまで、様々な分野・範囲で使われます。
このレジリエンスをテーマにしたワークショップでいつも使わせて頂く動画があります。
陸前高田の奇跡の一本松
東日本大震災の時の津波の際、一本だけ残った松です。
この動画を見て頂いた後、皆さんに質問します。
「この木のレジリエンスを上げるには、どうしたらいいですか?」
そうすると、不思議なことに、場からでる答えは、
松そのものをどうこうしよう(栄養剤を注射するなど)という答えはほとんどなく、
「近くに草花を植えよう」
「土を入れ替えよう」
「小動物をはなそう」
etc.
など、松そのものよりも、その周りの環境などに対する答えが殆どです。
中には、「松はこのまま枯れてしまった方が幸せかも」
という深い回答も
そうなんです。
実は、松を育てるためには、松だけをどうこうしようとしても、無理があるのです。
そのためには、松と繋がっているシステム(土や動植物など)を観る必要があります。
これが「木を観て森も観る」ということ。
決して、全部を見ろということではなく、目の前の大切な木を助けるためには、それと繋がっているシステムを観る必要があるのです。
皆さんにとって、大切なのは、身近な人、家族だったり、恋人だったり。
その目の前の木をめいいっぱい大切にしてください。
僕は、昨年から国連の提唱したSDGs(持続可能な開発目標)をテーマにしたワークショップを開催しています。
これは、「貧困」「飢餓」「環境」など17の項目が挙げられ、それぞれの目標が掲げられています。
それらのテーマを掲げるとき、どうしても森だけを観る感じになりがちです。
「環境は大事」それは解っているけど…
大きな事何も出来ないし…
そうして、誰かがテーマを声高に叫ぶほど、後ろめたい気持ちになり、目を背ける。
そして、分断が生まれていく。
僕たちにとって、一番大事なのは目の前の木です。
是非、その木を大事にして下さい。
そして、その木を大事に育てようとしたら、必然的にシステムに目を向ける必要が出てきます。
木も観て森も観て下さい。
そして、ほんとに一番近くにあるのは、自分自身。その話は後日に…
6/10(土)〜11(日)レジリエンス・ジャーニー〜ナスルディンの鍵を探す〜開催