「ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」
ようやく、この本のレビューを書く気になりました。
この「Teal組織」には、原著の段階で触れ、昨年、マルチステーク・ホルダーダイアログを開催したとき、リソース・パーソンとしてこの本の日本語版の解説を書いている嘉村賢州さんにご縁をつながらせて頂きました。
そして、発売前の段階でのActive Book Dialogueにも参加させて頂きました。
今、この本は異常なほどの売れ行きを示しています。
まさに今の時代が必要としていた本であるとは確か。
でも、この本のレビューをブログなどで書くことに戸惑う自分もいました。
それを止めている物は何なのか?
それを整理するのに数ヶ月を要しました。
それは何だったのか?
まず、結論から言いますと、この本は是非、読んでみて下さい。
今の売れ行き具合から今さらですが、大推薦です。
なぜか?
素晴らしい手法が載っているから?
そうした新しい知識を吸収する読み方でなく、おすすめしたいのは、
この本を読んでいるとき、あなたの中で何が起こっているか?
ぜひ、そこに集中して読んで欲しいのです。
あなたが、「今どこに居るのか?」これがとても如実に現れる本だと思うからです。
この本は、僕のまわりの友人達の中でも今までにないぐらい多くの人に読まれています。
感想も様々。
大絶賛する人。
実際に取り組み始める人
批判的に吟味する人
当然の内容だと同意する人。
何かスッキリしない人。
あなたの中では、どんな反応が起きるでしょうか?
詳しい内容は読む楽しみを奪ってしまうので、触れませんが、進化型(ティール)組織」をはじめとした、様々な発達段階の組織について書かれています。
今までの組織とティール組織の違い。これは、本の中で多くの部分で書かれているのですが、最も大きな違いは行間に感じられます。(嘉村賢州さんの解説で触れられています)
それは、今までの組織の発達は、既存の組織のアンチテーゼとして誕生しています。
つまり、今までの組織形態では先行き行かなくなったとき、それを否定することでうまれているのです。
それは、組織に限らず、経済などをみても今までの人類の歴史が物語っています。
それは、言い換えれば「課題解決」のパラダイムということ。
そして、今、ティールがこれだけ関心を集めているのは、ティールそのパラダイムではないからです。
良い・悪いではなく、その振り幅の両方を受け容れてその先を創っていく。
決して、ティールの方が他の組織より上とか下とかではない。
これは、一言で言えば「慈愛」なのだと思います。
問題を解決するのでなく、全てを含めて超えていく。
僕は、昨年、ティ−ル組織の実践方法の1つである「ホラクラシー」のワークショップに参加してきました。
その時に会議のロールプレイで感じたのは、この手法を創った人の愛。
手法が優れているとか、どうとかでなく、手法の背骨を通る温かいものに触れ泣きそうになりました。
このティールの基になっている「インテグラル理論」のケン・ウィルバーが言っている言葉
「完璧な理論などなく、逆にどんな理論でも意味がある。」
それは、「世界は肯定的意図で埋め尽くされている」ということ。
一見、目を背けたくなることも、そこには必ず意図がある。
そして、それは、自分の行動も。
是非、その意図に寄り添ってみて下さい。
この本を読んで、あなたに何が起きるか味わって下さい。
そして、その反応に是非、言ってください。
「ようこそ」